初鰹の叩き

IMG_0106「初鰹は嫁、子どもを質に入れてでも喰え」                      ひどい話ですが、これは江戸時代にはそれほど重宝されていました。初競りの鰹は「お祝儀相場」といって値がびっくりするほど高いですが、そこは江戸っ子。少し待てば値段が下がるのですがそれでは粋ではなかったんですね。ちなみに当時の値段で1両(約13万円)しました。また「初物を食べると長生きする」とも言われていました。それほど満足していたんですね。

鰹の旬は年に2回あり「初鰹」は春から初夏にかけて黒潮にのって北上する鰹のことです。この時期の鰹は脂は少なく身の引き締まった鰹です。夏向きにさっぱりといただけます。秋口にかけて水温の低下に伴って三陸の方から下に降りてくるのが「戻り鰹」といいます。こちらの鰹は脂がのっていてマグロの中トロのような鰹です。純粋に鰹の身の旨さを味わうなら初鰹、脂ののった旨さを味わうなら戻り鰹ですかね。オススメの食べ方は「塩叩き」と「叩きぽん酢」です。

「塩叩き」                                     5枚おろしした鰹(背側2枚、腹側2枚、骨1枚で5枚)に塩を振り常温で2時間寝かせます。次に叩きにし、ニンニクのスライス、ねぎをのせてすだちを絞っていただきます。

「叩きぽん酢」                                   鰹は醤油と酢との相性も抜群です。特に鰹節、昆布の効いたぽん酢は相乗効果によって旨味が何倍にも増します。ここにもニンニクのスライス、ねぎは欠かせません。ぽん酢を含ませるため大根おろしものせて下さい。

「叩き」                                     「叩き」の語源は薬味をのせて叩く、タレをつけて叩くなど諸説は多岐に渡ります。扇子の骨のように扇状に金串を刺します。その時くしの先は焼けないように出しません。出すと抜く時に焼けたところが身の中を通って身も焼けてしまいます。一般にはガス火で表面を焼きますが、美味しいのはやはり藁で焼くのが一番です。藁は火をつけるとすぐにバアっと燃え高温になり鰹の表面だけを焼くにはもってこいです。そしてその時に出る煙が良い香りを付けてくれます。元々鰹の表面を焼き、燻すのは寄生虫対策だったといいますが今の鰹ではほとんど見かけませんのでご安心を。私は脂の少ない初鰹は焼いてすぐに氷水につけて冷やし冷蔵庫に入れていただきます。脂ののった戻り鰹は焼いて水で濡らしたタオルで少し冷やしただけでまだ少し温かいうちにいただきます。この方が焼いた皮、身の旨味、溶け出した脂の旨味がすごくよくわかります。

今晩の2種類の鰹は一つは「叩きぽん酢」です。もう一つはアジアン風です。アジアン風はぽん酢の代わりにニョクマムとレモン汁、砕いたナッツにニンニクスライス、香菜をのせています。

さて、明日は何を食しましょうか。。